The Evillious Chronicles Wiki
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Taken from the Seven Crimes and Punishments excerpt for the Pride chapter read by Asami Shimoda and uploaded as preview in promotion of the album. More links in the Translation Compendium.

Japanese[]

王宮の中は、人であふれていた。

もちろん、全員が生きた人間ではなく、魂となった存在たちだ。それにしてもここまで多くの魂がいるとは思っていなかったので、僕は思わず面食らってしまった。

ここにいるのは王宮に仕えていた人間だけどはなさそうだった。見知らぬ顔もいくつかそこにあった。そういえばここは王国崩壊後、観光名所にもなっていたので、僕の生きていた時代とは違う観光客なのかもしれないとも思ったが、その人らの服装を見る限り、そんな感じでもなさそうだ。彼らの着ている礼服やドレスはまさに、ルシフェニア王国時代によく見かけたそのままのものだったのだ。

「やあ、アレン君じゃないか!久しぶりだね!」

誰かが声をかけてまた。聞き覚えのある男性の声だ。振り向くと、そこには立派な身なりの、眼鏡をかけた茶髪の男がいた。

「キール殿......!」

「褒かしいねえ。上で君だけは全然見かけなかったから、ずっと心配していたんだ。......もしかしたら『冥界』の方に堕とされたんじゃないか、ってね」

フリージス商業連合総帥、キール=フリージス。かつて飢饉に陥ったルシフェニア王国を[?]い、そして革命の際には反乱羣を援助した男。

彼がどうしてここにいるのだろうか?僕が尋ねると、キールは少し困ったような笑顔を見せた。

「いやあ、娘たちがどうしても今夜の晩餐会に出たいって言い出してね。僕はその付き[?]いみたいなものさ」

「晩餐会、ってーー」

「アツー!アレン!!こんなところにいたツスか!!」

また背後から別の大声が聞こえた。今度は女性の声だ。

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