The Evillious Chronicles Wiki
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Interview of Akuno-P's fans taken from bylines.new.yahoo.co.jp website and linked via PHP's official twitter. All questions bolded to distinguish them from answers. More links in the Translation Compendium.

Japanese[]

先日公開した「女子中学生はなぜ修学旅行でPHP研究所を訪れるのか」は大反響を呼んだ。ではボーカロイド楽曲およびそれを原作・原案に小説化した「ボカロ小説」のファンとはどんな人たちなのか? ボカロ小説の代表格のひとつに、悪ノP(mothy)による『悪ノ娘』シリーズがあるが、今度は編集サイドではなく読者のほうに直撃してみた。

(『悪ノ娘』の最初の二冊『悪ノ娘 黄のクロアテュール』と『緑のヴィーゲンリート』の文庫化を記念して囚人Pとのトークショー&サイン会がアニメイト池袋店で行われた2015年9月19日にPHP研究所の協力のもと収録。なお、名前はハンドルネーム)

■ニコ動からではなくYouTubeから入る方が多い!?[]

――今日お集まりいただいたのはおひとりを除いては学生さんだそうですが、まずはみなさんがボカロを聴き始め、悪ノPにハマっていったきっかけを教えてください。

樽:私がボカロを聴き始めたのは、5、6年前にYouTubeで偶然、という感じですね。はじめは歪Pさんの「人柱アリス」だったかな? そこから有名どころのSupercellさんを知ったりして、徐々に物語系の曲にハマっていった感じですね。

――Yahoo!読者に向けて少し補足すると、「物語系の曲」というのは、J-POPとかではあまり見られない、ストーリー性が非常に強い楽曲のことですね。そういうものが原作となってボカロ小説というジャンルが生まれたと。

樽さんのボカロへの入り口は、ニコ動じゃなくてYouTubeだったんですね。

樽:そうですね。私は「YouTubeにないボカロ曲も聴きたい」と思ってニコ動に登録したくらいなので。

――そうなんですね。世代の違いなのかもしれないですけど、僕はボカロというとまずニコ動で、YouTubeは「ニコ動にある動画が転載されているサイト」っていうイメージがありました。ちなみに樽さんが「悪ノP」という固有名を認識して追いかけるようになったのは?

樽:全然曲調が違う作品なのに最後に出るクレジットを見たらP(プロデューサー/楽曲制作者)さんの名前が同じだったと気づいたときに、「あ、こういう人がいるんだ」と。さらに一曲ずつで物語が完結しているかと思っていたんですが、だんだん「あれ、この曲のこことあの曲のあそこ、つながるじゃん」とわかり、それが大きな「七つの大罪」シリーズという世界観のもとに作られていると知って――追いかけるようになりました。

――ありがとうございます。万華さんは?

万華:今日は私だけ社会人なんですが、ボカロの存在は初音ミクが発売されたころにTVで取り上げてられていたのを見て知りました。自分では7年くらい前にYouTubeでなんとなく見つけた曲を聴いていて、有名な曲とかその替え歌とかを見ているうちに、「もっと見るならニコ動に登録しなきゃいけないのか」となって登録したんです。

悪ノさんに関しては「悪ノ娘」「悪ノ召使」「悪食娘コンチータ」の動画を見たあたりでどうも「七つの大罪」がモチーフになっているとわかって。僕はそういう系のファンタジーとかが好きだったんですよ。

樽:私ももともとオカルトものが好きで、悪ノさんが好きなモチーフを扱ってくれていた、というのもハマったきっかけとしてはあります。

万華:で、そうやって気になっていたところに悪ノさんが「円尾坂の仕立屋」や「ハートビート・クロックタワー」を投稿したり、同人CD(注:メジャー流通ではない自主制作盤)を出したりして。そのあたりで今までぼやっとしか意識していなかった作品のつながりとつながりが一気に見えてきて「あ、落ちた」みたいな(笑)。悪ノさんの場合、ある作品が出て「これってどういうこと?」って思っているとそのあとの作品でつながって「あっ!」という感じのおもしろさがあるんです。

■「自己解釈PV」や「考察する」という受け手の文化[]

万華:ただ、正確に言うと、その前からファンが有志でつくっていた悪ノ作品のPVを見ていたりして、それがあったからこそ、自分のなかでつながった感じがします。

――Pが自分で楽曲同士をリンクさせるだけでなくて、ユーザーが元の楽曲に動画を付けることで自分自身の解釈を表現する「自己解釈PV」をつくって(いわゆる「N次創作」をして)楽しみ方が広がっていった、ということですよね。

LさんとGDOさんは?

L:私は、高校のときに、何かを検索しようとして間違って「囚人」って入れたことがきっかけで囚人さんの曲と出会って。ボカロって音が特徴的じゃないですか。歌詞が聴き取りにくかったり。でもそれが逆に気になって調べていくうちに悪ノさんの小説の存在を知って。読んでみたら、すごく感動したんです。

ただ大学入試があったので半年くらい遠ざかり、悪ノPのことはいったん忘れて囚人さんに走って(笑)。私はボーカロイドの猫村いろはちゃんの声がすごい好きなんですけど、入試が終わったあとで、悪ノさんが「「Ma」サバイバル」という曲でいろはを使ってる! って知ったのをきっかけに再燃して。今は悪ノさんと囚人さんばかり聴いています。

GDO:僕はボカロ自体はCMで「tell your world」が流れたりしていたくらいから存在は知ってたんですけど、ハマったのは2013年の1月にスマホを手に入れてネットが見やすくなってからですね。

僕が動画を観始めたころには悪ノさんの代表的な曲はすでに全部出ていて。さらには小説とかCDも出していると知って、本を買いに行き、CDも買って、コミケで新作が頒布されているのを知って……っていうあたりで、完全にハマっていました。

樽さんたちがしている悪ノ作品の考察を読んで世界観の深さもわかっていったんですよね。僕は考察するほど知識が足りないんですけど……。

万華:考察は、知識なんか気にせず、好きにやればいいんだよ。どうせ悪ノさんにひっくり返されるからね(笑)。「そうだったのか!」って。それが気持ちいいんだよね」

――これも読者に説明が必要かもしれませんが、悪ノ作品をはじめとして、謎めいた世界観を持っていて、受け手の解釈を誘発するような作品ではユーザーが「これってこうなんじゃないか」と「考察する」文化がある、と。

Rさんは?

R:私はニコ動は2008年ぐらいからですね。はじめは好きなゲームの動画を観ていたんですけど、いつの間にかボカロにハマっていて。私はがくぽ(「神威がくぽ」。Gacktの声からつくられたボーカロイド)が好きなんですよ。がくぽ曲をさんざん聴いているときに「ヴェノマニア公の狂気」が投稿されたのが、悪ノさんを知ったきっかけだったと思います。それで『黄』の小説を買いに発売日に近くの本屋に行きました 画像

。まあ、売り切れていて店頭で注文することになったんですけど。

樽:当時は今みたいに書店の一角に「ボカロ小説コーナー」もなかったし、ジャンル自体が存在してなかったから、書店でどこにあるのかと思って、けっこう探したよね。

R:うん。

■ボカロ小説きっかけでPHPを知り、小説を読みはじめる[]

――ボカロ小説に触れる前から、「PHP研究所」の存在は知ってました?

樽:いえ……悪ノさんの最初の小説からですね。

万華:僕は「悪ノさんの小説出るよ」って聞いて出版社の名前を見たときには「マジか?」って思いましたね。PHPさんのサイトのなかでも最初は相当浮いてましたし。

GDO:僕は歴史の本を読んでいたので、そっちで知っていました。

L:最近、ボカロ小説と松岡修造さんの日めくりカレンダーを出しているのが同じ会社だと知って(笑)。すごくびっくりしました。 画像

――世間的にはわりとおかたい本を出している会社のはずなんですけどね……(笑)。

ちなみにみなさんもともと小説はお好きなんですか?

万華:僕はライトノベルはけっこう読んでました。

樽:私は学校の図書館で借りたりして小説はいくつか読んでましたけど、買って読むことはあんまりしていなくて。ボカロ小説にハマりはじめてから、本棚がいっぱいになりました。

GDO:僕はもともと小説は読んでませんでした。歴史の本とかは読んでいたんですけど。だから、小説を読みはじめたのはボカロ小説からです。

R:私は親の持ってる小説は読むんですけど、ラノベはほとんど読まないですね。数年前に買った『涼宮ハルヒの憂鬱』と『デュラララ!』で止まってます。

樽:私も活字は苦手ですね……。

――え、でも、悪ノさんの小説、けっこうページ数ありますよね? しかもシリーズで、本をまたぐ伏線もあるし。

樽:曲を聴いて、小説を読む前からだいたいイメージが頭に入っているから大丈夫、っていうのはあるかもしれないですね。

R:あと、「マンガになったら読むのに」って意見は多いよね。

樽:そうだね。『悪ノ娘』もマンガになったときにバッとファンが増えたんじゃないかなという気がします。

R:マンガから入るんだけどコミカライズだと進みが遅いから、続きが知りたくなって小説を読みたくなったりするし。

――なるほどなあ。ボカロ小説が活字の本の読書の入り口になったり、小説を読むきっかけになっている感じなんですね。

■私が追っかけしてるのを見て親は「血だな」と……[]

――友だちや親御さんはみなさんがハマっているものについて知ってるんですか?

樽:知ってはいますけど、いっしょにハマってるひとはリアルでは身近にいなくて。妹は聴いてくれているんですけど。というか私が「聴け」って言って聞かせている(笑)。

私は両親がマンガ好きで、今でも自分で買ってくるくらいなんですよ。母は昔ジャッキー・チェンの追っかけをしていた人なので、私が悪ノさんを追いかけているのを見て「血だな」っていう目で見られています(笑)。

L:うちは母親がボカロとかアニメが嫌いなんですよ……。

樽:Lさん以外にもまわりには両親がダメとか兄弟がダメだから隠れてる、ってひともいるよね。

R:私のまわりだとだいたい親と子どもの距離が近いので、拒絶は少ない気がします。

うちの親は放任主義というか「個人の趣味だからいいんじゃない?」という感じですね。ただ、親は絶対ハマらないだろうなと思う。実写のほうが好きなひとたちなので。

――ボカロ小説は、小中学生ではお父さんお母さんに買ってもらうひともいるみたいですね。

R:あ、そういえば私、小説ではないけれど、悪ノシリーズの楽曲アルバム『悪ノ王国』は親からクリスマスプレゼントに買ってもらったわ。

L:あと、友人に囚人さんの小説をすすめたら、話の展開が強烈だったらしく「何あれ?」ってすごい怒られちゃったことがありました。私は中二病っぽいものが好きなので、何かおすすめすると「出た、中二」みたいな空気になります(笑)。だから、なかなかまわりには……。

万華:そうだよね。まわりにいないからこそTwitterで盛り上がっている感じですよね。

――Twitter上でのファン同士の交流はどんな感じで始まったんですか?

樽:私はTwitterに登録したのが2、3年で、そこから片っ端からプロフィールに悪ノさんの名前を書いている人たちをフォローしていって。リストで悪ノクラスタをまとめたりもしています。

万華:僕は悪ノさんがTwitterをやっていると知って、情報を追いたいがためにTwitterをはじめました。そう考えると、ニコ動もTwitterも、ぜんぶ悪ノさんきっかけですね。

Twitterのハッシュタグで「悪ノP好き、つながろう」みたいなものを2011年、12年くらいに見つけて。で、樽さんがオフ会を企画されていたのに参加したのがきっかけで、さらにつながっていって。

樽:最初のオフ会は2年前のゴールデンウィークですね。そのあとは大型連休のときに、ときどきやる感じで。私が関東住みなので関東でしかやってないですけど、オフ会は最高で11人か12人くらいですね。やっぱり10人以上集まると楽しいですね。関西は関西であるのかな?

■「再生回数多い順に聴く」小中学生[]

――ちなみにネットにいる悪ノクラスタって下は何歳くらいからいるんですか?

樽:年齢は聞いてないけど、下は中学生かなあ。小学生はTwitterをやっていないことが多いですし。ただ、アカウントを持っていても中学生とはつながりにくいですね。こっちの気が引けて。

――中学生と大学生だと、感覚が違う?

R:中学生は、Tweetの内容が若いよね。

樽:私たちは泥を吐き出す感じでつぶやいてますからね(笑)。「まぶしい!」って思っちゃう。

――小中学生が最近の曲じゃなくて「悪ノ娘」みたいなけっこう前の曲に入って小説まで辿りつくのって、なんでなんでしょうか。

R:ボカロ関係のタグとかキーワードで検索して、再生数が多い順で聴いていくからじゃないですか? で、観てみたら動画に流れてくるコメントは小説ネタばっかりだから。それで知るんだと思う。

私が中学校のときは図書館にはラノベとかケータイ小説は入っていたけど、まだボカロ小説は出始めだったので入ってなかったんですよ。でも今は学校にも入っているみたいだし、手に取りやすくなっている気がします。

あとけっこう多いのが「給食の時間に曲、流しました!」とか。いや、ごはん食べるときに「ヴェノマニア」とか流しちゃダメでしょ、って(笑)。

――悪ノさん、囚人さんはたしかにみんなの前で(食事時に)かけるとまずそうな曲もありますね(笑)。しかし「再生回数多い順」に聞くというのは言われてみればそうだなと思いますが、なにげにいろんな文化への触れ方、継承のされかたに影響を与えそうなトピックです。


■匿名で複数人と交流するにはLINEではなくTwitter最強[]

――ところで、Twitterはやっぱりみなさん複数アカウント持ってるんですか?

樽:それはみんな普通に。リアルと使い分けたりしてるよね。

R:私のフォロワーさんには「リアルアカウントは稼動させてない」って言ってるんだけど別のアカではつぶやきが20万とかあるツイ廃もいますよ(笑)。

そう言う私の持ってるアカウントは2ケタ超えてる……っていうのは言っちゃいけないんだけど。botも含めての数ですけど。

――それはすごい(笑)。TwitterとかLINEとか、SNSってどんなふうに使ってます?

R:私はTwitter、スカイプ、あとは見る用にpixivのアカウントを持っているくらいですね。

樽:私もpixivは見る用に持ってます。

R:好きなボカロとかゲームのキャラのイラストを探したりして。でも、悪ノPのイラストってなかなか増えないよね。

樽:うん(笑)。

R:関西のひとたちは悪ノクラスタのLINEグループがあるみたいですね。

樽:私も昔はオフ会のやりとりとかで一斉送信できるのがいいなと思ってLINEグループを使おうと思っていたんですけど、今はもうTwitterでグループDMができるようになったので、LINEいらないなって。LINEとかFacebookはちゃんと設定してないと本名バレしちゃう可能性もあるので、Twitterの方がありがたいのかなと。

――ああ、匿名でコミュニケーションが取れるからTwitterっていうのは納得です。


■「考察会」がデフォルトで組み込まれているオフ会[]

――ちなみにオフ会ではどんなことを?

樽:まずカラオケに言って悪ノ曲を入れまくってひとしきり歌ったあとで、持ち寄った小説とかブックレットとかを広げて考察会が始まるという……。

――考察タイムがイベントに組み込まれているんですか(笑)。それはすごい。

万華:みんなで勝手に推測して、勝手に納得しているだけですけどね。でもあとで悪ノさんにひっくり返されて「あー、違ったねー」って。


■悪ノファンはやはり物語系の音楽が好き[]

――みなさん、悪ノ作品以外はどういうものが好きなんですか?

樽:多いのはSound Horizonですかね。

万華:うん。この界隈にいると、まわりからすすめられてハマっていくという。

――Sound Horizonも物語系の曲で、しかも残酷な悲劇で、モチーフも一部相通ずるものがありますもんね。音楽的には全然違いますけど。

ボカロだとどうですか?

樽:私はカラスヤサボウさんとかてにをはさんとか。ひとしずくPさんや囚人Pさんももちろん聴きます。物語性があって世界観があるものですね。ただ新しい曲はあんまり聴いていなくて、もともと好きなPさんの新曲を追いかけるくらいの感じです。

L:私は今は囚人さんしかほとんど聴きません。悪ノさんは世界観が広いじゃないですか。みなさんガチな考察をされていて、自分はそれを追っていくのは難しいので、私は囚人さんをがんばろう、と(笑)。あ、ただ受験勉強するときに日本語の歌詞だと勉強が頭に入ってこなかったので台湾のボカロに行き着いたんですよね。だからそれもたまに聴いています。 画像

GDO:僕はほとんどニコニコ動画の曲しか聴いていないんですけど、今は熱もほどほどって感じで、好きなPの新曲くらいですかね。

樽:昔からボカロを聴いているひとはそれぞれ好きなPができていて、その人を追ったり、初音ミクなら初音ミクっていう特定のキャラが好きなひとはキャラで追いかけていく感じじゃないかなあ。

R:私は前は「もっと評価されるべきタグ」とかを見ていたんですけど、今はランキングをいちおう見るくらいですかね。

まわりだと、最近はけっこうボカロにさめちゃって。ロキノン系の音楽に走ったり、いろんなゲームにハマったりしてる子が多いですね。ボカロを聴かなくなって「別の音楽を聴く」っていうより「別のものにハマってる」ひとが多いかな。「ボカロさめちゃったから『ジョジョ』読んでる」とか「『ジャンプ』読んでる」とか。


■悪ノファンはカゲプロファンとは重ならない?[]

――悪ノ作品以外は他メディア展開していてもそんなに熱心に小説を読んだりはしない感じですか?

樽:いや、そんなことないですよ。カラスヤサボウさんの「文学少女インセイン」は曲を聴いただけだと正直わからなかったことが小説でつながりがわかって大好きになりました。

――一時期めっちゃ流行りましたけど、カゲプロとかは?

樽:カゲロウプロジェクトは……音楽を聴いてアニメも見たくらいかな。

万華:僕もカゲロウプロジェクトは途中まで追っていて、小説も3巻ほど買ったんですけど、深入りはしなかったですね。

R:私は『カゲロウデイズ』、『ミカグラ学園組曲』、ヘイセイプロジェクト、暴走Pさんの『初音ミクの消失』と『幻想楽土』は小説も読みました。

ただ、ボカロPはプロの小説家じゃないから、自分で書いてるひとのほうが逆に少ないじゃないですか。だから小説を読んでいても「プロが書くと違うな」って。Pが書くと稚拙だなって思うことも、正直あります。

――厳しい(笑)。

R:私はがくぽキャラが好きなので、もし出ていたら小説も買いたいんです。だけど『秘蜜』と『魔女』くらいで、ほかは全然出してくれないんですよ!(笑) ぜひ出してほしいですね。

――たくさんボカロ小説が出ているなかで、買う買わないの基準ってあります?

R:まず、そのときの金銭状況はあるかな……。

樽:それはあるよね。私はkemuさんの曲もモチーフが好みなので、KEMU VOXXの小説も読んだらハマるんだろうなと思いつつ……時間とお金が追いつかなくて。

R:あとは曲自体が物語系だと私の場合は買いやすいですね。元の曲が「これ、物語ないでしょ」っていうのは買わないです。

■悪ノPファンは悪ノPファンであってニコ動のファンではない[]

――周辺ジャンルについても少し訊きたいんですが、「歌ってみた」って聴きます?

R:たまにですね。私の場合、ボカロ曲が入り口になって、その曲の歌ってみたを聴く感じなので、歌い手の名前を知らないこともあります。

樽:私もたまにですね。ひとりふたりを追っかけている感じで。

――なるほど。物語系の楽曲を好きな層と、ナマモノ(?)の歌ってみたが好きな層は違う感じなんですかね。ボカロキャラが出演する「マジカルミライ」などは行きますか?

樽:行かないですね。

R:私も行かないですね。推しキャラが出ないので。

――ライブ自体……?

R:あんま行かないですね。「悪ノ娘」が一番盛り上がっていたころって、ライブがそもそもなかったような……。以前、ETA(EXIT TUNES ACADEMY)に悪ノさんが出たときに一度だけ行きました。

樽:私もそのときは行きました。

――ニコニコ超会議は?

R:2回目にやったときだけ行きました。

樽:私も悪ノさん関係の展示があったときに行きました。

――コミケは?

R:行きますね。今年(2015年)の夏は悪ノさんのものしか買ってないので、だったら通販で買った方が安いんだけど(笑)、でも、ひとと会ったりするし、いいかなって。

樽:たしかに、人と会うのがメインみたいなところがありますよね。

――推しのP関係のところは行く。オフ会とかファン同士の交流があれば行く。あとは行かない。……っていう感じが徹底してますね。

■ボカロ/ボカロ小説への要望[]

――最後の質問なのですが、ボカロ/ボカロ小説界隈に対して望むことはありますか?

樽:私は出るものを楽しんでいるので、そんなにないかなあ。

R:私はもっと物語系の曲の小説が欲しいですね。あとはやっぱりグッズ化。

樽:あー、たしかに。グッズと映像化かな。

――それはどっちも権利元次第ですよね。悪ノ娘グッズもPHPでは出せないし、映像化も出版社の一存で決められない案件なので。

R:出版社と言えば、最近はボカロ小説もPのオリキャラのものばっかじゃないですか。カゲプロみたいに。ボカロキャラをいっぱい出すと著作権の処理とかがめんどくさいんでしょうけど、もっとボカロメインの小説を出してほしいですね。とくにがくぽを!

あとはグッズじゃないですけど、個人的にはもっとライブをしてほしいです。悪ノさんはベーシストとしてライブをするのが観たいです!

――非常に楽しい&興味深いお話、ありがとうございました。

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